公共測量におけるトータルステーションを用いた1級基準点測量において、図7に示すように、既知点Aと新点Bとの間の距離及び高低角の観測を行い、表7の観測結果を得た。Dを斜距離、αAを既知点Aから新点B方向の高低角、αBを新点Bから既知点A方向の高低角、iA、fAを既知点Aの器械高及び目標高、iB、fBを新点Bの器械高及び目標高とするとき、新点Bの標高は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
ただし、既知点Aの標高は10.00mとし、Dは気象補正等必要な補正が既に行われているものとする。
なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。
1.190.71 m
2.190.81 m
3.200.71 m
4.200.81 m
5.204.28 m
解答
正解は3です。
選択肢
1.190.71 m
2.190.81 m
3.200.71 m
4.200.81 m
5.204.28 m
解説
まず解説に入る前に、表の条件を図示して整理してみます。
同様の問題において、両差が不明であることが本問題の鍵です。
したがって、2方向からの観測の両差を等しいものと仮定して、新点Bの標高を導いていきます。
両差をKとおく。
➀正方向観測(既知点A→新点B)
HB = HA + iA + DsinαA – fB + K
➁反方向観測(新点B→既知点A)
HB = HA + fA – DsinαB – iB – K
➀と➁の式を足すと
2HB = 2HA+ iA+ fA+ DsinαA– DsinαB– fB– iB
2HB = 2HA+( iA+ fA)+ D(sinαA– sinαB)–( fB+ iB)
2HB = 2×10.0+(1.5+1.5)+1,000×2×0.19081–(1.6+1.6)
2HB = 23+381.62-3.2
2HB = 401.42
HB = 200.71
本問は複雑で測量士補試験の中でも難しい問題だと思います。